肉離れ
肉離れとは?
肉離れ(muscle strain)は、筋肉が急激な伸張や負荷に晒されることによって、
筋線維が破損する状態を指します。
スポーツ活動中や日常生活での急激な動きや重い物を持ち上げるなどの際に、
筋肉に大きなストレスがかかることで発生することが一般的です。
肉離れの症状には、痛み、腫れ、内出血(あざ)、
筋肉の緊張、筋力低下などが含まれます。
痛みは、怪我をした筋肉の位置や程度によって異なります。
軽度の肉離れの場合、安静にし、冷却や圧迫、挙上(R.I.C.E.療法)を行い、
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用して炎症や痛みを和らげることが一般的です。
重度の肉離れの場合、必要に応じて画像検査(MRIやCTスキャン)を行って
損傷の程度を確認することがあります。
治療には、理学療法、包帯やサポーターの使用、リハビリテーションエクササイズ、
重度の肉離れ(腱断裂)には手術が必要な場合もあります。
リハビリテーションや運動療法は、筋肉の修復と強化を促進し、
動作を改善することで再発を予防するのに役立ちます。
肉離れで損傷が多い筋肉は?
ハムストリングス
ハムストリングスHamstring)は、大腿裏(太ももの後ろ側)にある
三つの筋肉(大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋)のことです。
いずれかが急激な伸張や負荷によって損傷を受けた状態を指します。
ハムストリングスは脚を曲げたり伸ばしたりする動作に関与しており、
スポーツ活動中や激しい運動、またはストレッチ不足などが原因で
肉離れが発生することが多いです。
下腿三頭筋
下腿三頭筋(かたいさんとうきん)は、下腿の裏側(ふくらはぎ)にある
2つの筋肉(腓腹筋、ヒラメ筋)のことを指します。
これは通常、足首を曲げたり伸ばしたりする動作に関与する筋肉群であり、
スポーツ活動や激しい身体活動中に急激な動きやストレッチが加わった際に
発生します。
股関節内転筋群
股関節内転筋群(hip adductors)は、太ももの内側にある筋肉の総称です。
主に脚を内側に閉じる際に働く筋肉ですが、脚を外側に開いたときに急激に伸ばされたり、
過剰な力が働いたりすることで損傷します。
また、股関節を支える機能も有している深層に位置する筋肉もあるので
スポーツの復帰などには伸張な判断が必要です。
腹斜筋
腹斜筋(ふくしゃきん)の肉離れは、腹部の斜めに走る筋肉である
腹斜筋(oblique muscles)に損傷が生じた状態を指します。
腹斜筋は体の側面にある筋肉で、腹部を曲げる、回転させる、
または傾ける動作に関与しています。急激な動きや、不適切な体の使い方、
運動中の急激な回旋動作などが原因で肉離れが発生することがあります。
野球やテニスをしている選手に多く発症します。